取り組み / HAGUKUMI
北九州AI業務自動化推進会は、北九州市内の中小企業が業種を越えて集まり、日々の事務作業を生成AIで自動化する「型」を共同で作って公開する会です。株式会社CHK GROUPが代表構成員を務めます。公益財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)の「HAGUKUMI-ともに進める地域DXプログラム-」2026年度プログラムに採択されました(令和8年8月17日付)。その一環として実施します。
課題 / ISSUE
生成AIの導入費用はこの2年で大きく下がり、月額数千円で使える段階になりました。それにもかかわらず、市内の中小企業では「契約はしたが現場で使われていない」「一部の人しか触っていない」という状態で止まっている例が多くあります。
当社は北九州で小売・飲食・教育を経営し、いまは自社のEC事業(自社サイト・楽天市場・Amazonの3チャネル)で、受注処理・在庫管理・問い合わせ対応といった日次業務をAIで回しています。その過程で分かったのは、つまずく原因が業種固有の事情ではなく、「どの業務で・誰が・どう使うかの型が社内に無い」という一点に集約されるということでした。
そしてこの「型が無い」という課題は、業種が違っても共通しています。しかも各社が単独で解こうとすると、同じ試行錯誤を全員が繰り返すことになります。
やること / WHAT
見積書の作成、問い合わせへの返信、議事録、求人原稿、業務マニュアルの整備。これらは企業どうしが競争する領域ではありません。ここは持ち寄って共同で型を作れる領域です。
| 扱う領域 | ① 見積・請求などの書類作成 ② 問い合わせ・メール返信 ③ 議事録・記録 ④ 求人原稿 ⑤ 業務マニュアル整備 |
|---|---|
| 対象 | 北九州市内の中小企業・小規模事業者。特に従業員数が数名から数十名で、情報システム部門を持たず、経営者自身が判断している企業 |
| 進め方 | ワーキンググループを全4回(1回2時間・対面/オンライン併用)+成果共有会を1回。座学ではなく、参加各社がその場で自社業務に当てて試す「手を動かす回」にします |
| 期間 | 令和8年度内(〜令和9年3月31日) |
考え方 / APPROACH
この会でお伝えするのは、プロンプトの上手な書き方ではありません。プロンプトはAIに書いてもらいます。
数年前まで、AIをうまく使うには人間の側に技術が必要でした。役割を与える、例を入れる、区切り記号を使う——そうした工夫です。いまはその多くをAIの側が引き受けるようになりました。作り込むより、材料を渡して書いてもらうほうが速く、しかも自社に合ったものになります。
ただし、難しさが消えたわけではありません。難しさは「プロンプトの技術」から「自社の業務を言葉にすること」へ移りました。「いつもの感じでやっておいて」で回ってきた仕事に、ふわっと頼めば、ふわっとした答えが返ってきます。
そこで、この会では次の順番で進めます。
| ① 書き出す | やりたいこと/相手/見本/決まりごと/合格の線/入れてはいけないもの。この6つを、埋まる範囲で書き出します。空欄があって構いません。 |
|---|---|
| ② 質問させる | それをAIに渡して、足りないところを質問してもらいます。ここが要です。人が完璧に言語化してから頼むのではなく、AIに聞き役をしてもらう。答えていくうちに、業務が言葉になっていきます。 |
| ③ 書いてもらう | 十分に集まったところで、毎回コピーして使えるプロンプトを書いてもらいます。 |
| ④ 1週間使う | 実際の仕事で1週間以上使います。ズレたところを直します。 |
| ⑤ 記録する | 使わなかったなら、その理由を記録します。これも成果物です。 |
この方法なら、AIのモデルが新しくなっても型が古びません。作り込んだプロンプト集は、モデルが変われば書き直しになります。
成果物 / OUTPUT
成果物 ①
仕事の渡し方シート/そこから生まれたプロンプトの実物/誰が・いつ使うかの運用ルール/使ってはいけない場面。この4点を1セットにして残します。
成果物 ②
やってみたが続かなかったもの、途中でやめたものも、理由とあわせて記録します。次に同じ道を通る会社が助かるのは、こちらの記録です。
成果物は参加企業が自由に使える形で公開し、参加していない市内企業も二次利用できるようにします。令和9年2〜3月に、公開の成果共有会を開きます。
立場 / STANCE
| 特定の製品を勧めません | Claude・ChatGPT・Kimi を並べて比べます。当社はいずれの代理店でもなく、紹介手数料も受け取っていません。どのサービスでも使える型を残すことが目的です |
|---|---|
| 費用で人を選びません | 有料版を契約しないと成果が出ない設計にしません。無料の範囲で最後まで進められるように組んでいます |
| 当社の営業をしません | この会を当社の商品・サービスの販売促進に用いません。作った型は無償で公開します |
| 成功事例発表会にしません | うまくいかなかった話を歓迎します。成功報告の場にすると、うまくいかなかった会社が来なくなり、持ち寄りが成立しなくなるためです |
この先 / VISION
作って終わった資料は3年で腐ります。モデルが変わり、業務が変わり、誰も更新しなくなるからです。市内にはすでにそういう資料が数多くあります。同じものを1本増やしても意味がありません。
ですので、この会が作ろうとしているのは資料ではなく、更新され続ける仕組みと、更新する人です。
| 1年目 | 業種の異なる市内企業3〜5社で型を作る。持ち寄りが成立するかどうかを、実際に確かめる |
|---|---|
| 2〜3年目 | 進行・記録・整理を当社以外の参加企業にも回す。前年の型がいまも使われているかを毎年測り、使われていない型は落とす |
| その先 | 「AIに仕事を渡すときの型は北九州に置いてある」と、市内の支援機関が紹介先として参照する状態。そのとき当社は事務局から降りていて、一参加企業に戻っています |
募集 / JOIN
業種の異なる市内中小企業を3〜5社。業種が重ならないほど、競争しない領域の話がしやすくなります。製造、建設・設備、小売・飲食、士業・サービスから各1社程度を想定しています。
| 参加費 | 無料 |
|---|---|
| お願いする負担 | ワーキンググループ全4回(1回2時間)+成果共有会1回へのご参加。回と回の間に、ご自身の実際の業務で1週間以上お試しいただくこと |
| お持ちいただくもの | ご自身の業務の実物(見積書・定型返信・議事録など)。社外秘の情報は伏せて構いません |
| AIの費用 | 無料の範囲で進められます。有料版の契約は必須ではありません |
| 成果物の扱い | 各社の固有情報は伏せた形に加工したうえで公開します |
「AIをうまく使えている会社」である必要はありません。むしろ「入れてみたが使っていない」「何から手をつければいいか分からない」という状態のほうが、この会には向いています。
概要 / OUTLINE
| 名称 | 北九州AI業務自動化推進会(きたきゅうしゅうエーアイぎょうむじどうかすいしんかい) |
|---|---|
| 英文表記 | Kitakyushu AI Work Automation Council |
| 代表構成員 | 株式会社CHK GROUP(福岡県北九州市小倉北区) |
| 代表者 | 代表取締役 石坂 保人 |
| 活動期間 | 令和8年度(〜令和9年3月31日) |
| 実施の枠組み | 公益財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)地域DX共創事業「HAGUKUMI」 |
| 採択 | 「HAGUKUMI-ともに進める地域DXプログラム-」2026年度 採択(令和8年8月17日付・企画提案型) |
| お問い合わせ | info@chk-group.com / TEL 093-967-7303 |