解説記事 / 日本茶×輸出

日本茶・抹茶の輸出 規制実務ガイド

史上初の世界的な抹茶不足が続き、日本の茶輸出は輸出額約4,000億円・輸出量はコロナ前の3倍に達しました。円安も追い風です。ただし食品の輸出には固有の規制実務があり、「国内で売れている=輸出できる」ではありません。九州の茶産地に近い福岡の事業者として、要点を具体的に整理します。

HSコード:まず自分の商品の税番を知る

最大の地雷:残留農薬

EUは残留基準(MRL)が日本より桁違いに厳しく、基準未設定の農薬は一律0.01mg/kg=事実上のゼロトレランス。日本国内で適法なお茶がEUでは違反になる例が実際に起きています。台湾も輸入時のロット検査が厳格です。対策は3つ——①有機JAS認証の茶を選ぶ(EU有機と同等性あり)②生産者の防除履歴を相手国基準と突合する③輸出前に検査(CoA)を取る。

検査は必要。ただし費用と順序を知れば怖くない

残留農薬の一斉分析は民間検査機関で受けられ、実勢は絞った項目で3万円前後から、輸出級の網羅パネル(300〜500項目)で4.4万〜15万円/検体・納期3営業日〜15営業日です(食環境衛生研究所・日本食品分析センター・ビジョンバイオ等)。重要なのはB2C小口(米国・香港・シンガポール・豪州宛の個人向け)なら検査費ゼロで始められること。検査投資が要るのは台湾・EUへのB2B昇格時で、1ロットに1検体なら原価率+10%程度で吸収できます。

B2CとB2Bは別世界(階段設計)

個人向け小口はインボイス+税関告知書で回りますが、商業貨物は書類のフルセット(英文の製品規格書・試験成績書・国によっては衛生証明等)が要ります。なお中国向けは放射性物質検査証明・植物検疫証明まで要求されるため、中小事業者にはおすすめしません。もう1つの地雷は詰め替え・ラベル貼り替えをすると「加工者」として施設登録等の対象になり得ること。製品パックのまま輸出するのが安全線です。

茶の輸出設計のご相談

HSコード判定・相手国規制の突合・検査の段取り・英文書類の自動生成まで、当社が伴走します。輸出×AI自動化の詳細 → / 無料相談 →