– Business Information and Director/Beneficial Owner Declaration Form –
2014年後半より、HSBC香港では顧客の銀行口座の利用履歴や使用状況、登録情報などを鑑みて、抜き打ち的に調書提出を求めてきました。
具体的には、HSBC所定の調書( Business Information and Director/Beneficial Owner Declaration )とは別に、法人登記書類一式や役員、株主の身分証提示、さらには事業証明資料類の添付など、ケースバイケースで準備すべき資料が異なっております。
CHK GROUPでは、当社管理下の法人様、管理外の法人様を問わず、調書作成から提出、さらに資料準備のアドバイスや原本認証まで、全行程から一部行程のサポート依頼を含む、各種ご相談、ご依頼を随時、承っております。
提出期限が過ぎてしまいますと、順次、以下の処理が進んでいきます。
法人口座の(海外)送金機能の停止
・調書提出には応じたが、書類に不備があり、追加提出の要請に対応しない場合
・調書提出後、銀行員からの電話に出ない場合(追加確認を口頭でする)
法人口座の強制閉鎖
・調書提出の提出期限を過ぎてしまった場合
・口座内の残余資金は銀行側での一時預かりとなるが、返金指示可能
数か月内に、役員、株主名義の個人口座も強制閉鎖
・銀行側の要請に非協力な顧客としてリストアップされる
・口座内の残余資金は銀行側での一時預かりとなるが、返金指示可能
数か月内に、役員、株主名義の海外のHSBCグループ内の個人口座も強制閉鎖
・HSBCシンガポール、HSBCマレーシア、HSBC中国などのすべての個人口座も順次、強制閉鎖される
・口座内の残余資金は銀行側での一時預かりとなるが、返金指示可能
HSBCグループは、マネーロンダリング監視体制に不備がある、さらにはブラックリスト入りすべき個人や法人、取引自体に積極的に関与してきたという事例が指摘され、英米政府から多額の罰金を数度にわたって受けており、さらに将来的な追加罰金も噂されるほどに追い込まれています。こうした後がない中で、HSBCは現在、急ピッチで社内規定の厳格化を図っているわけです。
これと同時に、特に法人口座において、各種手数料が新設、もしくは増額され、既存顧客にとっては改悪に改悪が続いています。
しかし、送金処理や書類処理などでは、他の銀行を圧倒する利便性を有し、その使い勝手は手放すには惜しいことには変わりません。できる限り、調書提出や追加の書類提出に応じ、HSBC法人口座はキープされることをお勧めいたします。
HSBCが特に注視している取引や法人口座は、下記のものです。
・多額の現金による入出金がある
・第三者の資金(投資金、借入金、出資金などを含む)が出入りする
・リスク国(ロシア、南米、中東など)への送金が頻繁にある
・調書提出を無視して強制閉鎖された法人口座や取引先と過度な取引実績がある
・役員、株主構成を変更している(口座管理 責任者の交代)
・突発的に多額の送金、着金が生じる(含:小切手)
・長期にわたって未使用状態
過去の取引履歴にまでさかのぼって精査されていますので、過去の契約書類やインボイス類は大切に保管されることをお勧めいたします。
また今後、上記の取引を予定されている法人様は、将来的な調書提出を視野に入れて、やはり契約書面などの準備を入念に進め、大切に保管されますことを推奨いたします。