BVI基本情報

BVI 法人基本情報

BVI基本情報

国土

カリブ海にあり、東隣国はプエルトリコ。大小50以上の島々より成る(3分の2は無人島)。熱帯気候(29~32度)。

国史

1493年、大西洋岸、カリブ海地域を探検中のコロンブスにより発見。未開発な自然状態が賞賛され、ヴァージン諸島(Las Virgenes)と命名される。豊かな漁場と大西洋航路の重要拠点から、度々、欧州列強の占有を受けたが、最終的に西部はオランダ領、東部はイギリス領として確定された。後に、西部は米国の領土購入により、米国領ヴァージン諸島(USVI)となる。今日まで、ヴァージン諸島東部は英国海外自治領である(British Virgin Islands/BVI)

人口/首都

約22,000人(2010年度)
首都はトルトーラ島にある、ロードタウン(18,000人)。

通貨/経済

米ドルがそのまま使用可。英ポンドは不可。

タックスヘイブン制度が世界中のヒト、マネーを呼び込み、カリブ海地域では圧倒的な国民所得の高さを誇る。国内の主要産業は金融と観光業。現地の約半分の雇用は後者に依存。国家財政の半分はオフショア・カンパニーの法人登録税に依存。2000年発表の統計では、世界の41%のオフショア法人がBVIに登記されていた、という。

法人制度
法人税

BVIでは、通常の国内法人と、同国内で一切事業を行わないこと条件で1984年より許可されたオフショア法人の二種類がある。

通常の国内法人の場合、BVI内で不動産購入(登記税なし)や商品販売などが可能だが、毎年決算報告が必要。法人税は現在0%据え置き。従業員への給与に関しては、個人所得税として10~14%が課税。そのうち、70%は雇用主が負担する仕組み。

しかし、オフショア法人形式(International Business Corporation / IBC)では、BVI内での事業展開は不可だが、同国外での決算申告や法人税課税が免除されている(法人登記後、20年間保証)。一般的に、BVI法人といわれるものは、こちらのタイプ。

なお、オフショア法人形式で、同国内での銀行口座開設、事務所開設、BVI内国法人やオフショア法人への出資が許可されている。株式譲渡、不動産契約などに関わる印税も非課税。

毎年の決算資料等は、各社が決定した保管場所に保管することになっている。オフショア法人格は、毎年、政府認定の代行会社を通じて、政府登記税を納付することで保証される。

BVIオフショア法人の特徴

法人名称

法人名称はアルファベットを使用する。数字を挿入しても可。ただし、以下の特定の免許事業と関わる用語は使用不可。

Assurance, Bank, Trust, Building Society, Chamber of Commerce, Chartered, Cooperative, Imperial, Municipalなど

その他、公共事業性を連想させる用語の使用も不可。「BVI」という国名も、特別、政府が認める場合以外は使用不可。

また、株式会社を証する名称は、通常、国際社会で通用するもので可。
例)Limited, Corporation, Incorporation, Incorporated, Societe Anonyme, Sociedad Anonima。もしくは、それらの略称など。

株主・役員

株主、役員は一名以上必要。同一人物が双方を兼ねても良い。また、個人、法人は問わない(国籍も不問)。

なお、株主・役員の情報などは非公開。さらに、匿名性を高めたい場合は、名義貸しによる(株主・役員)代理人制度を利用して、法人設立も可能。

現地在住の秘書役の設置は不要。また、株主総会、役員会などの実施は各企業ごとにその手段・場所、及び開催自体の有無を決定できる。代理人による決議も可。

ただし、原則、現地政府公認の現地代行会社を指名し、ここを通じて登記申請する必要がある。これら代行業者が株主・役員情報などを保管することになる。名義貸しを利用の場合、オーナー情報なども含む。

法人定款

非公開。すべての法人情報は政府公認の現地代行会社が保管する。

法人株主の希望により、初回の議事録も公開することもできる。これにより、実質的な株主、役員の名義を公表することで、より信用性を高める効果もある。

法人資本金

資本金は1USD~設定可。通常は、50,000USD。ただし、具体的な金額を払込む必要はなし。

通貨単位は米ドル、ユーロ、円建てなど、自由に選択可。

政府登録税

BVIオフショア法人は、原則、会計資料、決算報告書の提出は免除される。かつ、一切の法人税、利子税、キャピタル・ゲイン税なども非課税である。また、その株主、債権者は受取利子、配当なども無税で取得可。

その代わり、毎年、政府に法人登録税を納付することになる(現地の登録業者による一括納付)。

■資本金 50,000USD相当以下 政府登録料 350USD
■資本金 50,000USD相当以上 政府登録料 1,100USD

上記登録税の納付期限は以下の通り。

■前年度1月1日~6月30日までに登録した法人次年度分の納付期限は5月31日まで
■前年度7月1日~12月31日までに登録した法人次年度分の納付期限は11月30日まで

(注)登録税納付が遅れた場合、直ちに延滞税が課される。2ヶ月まで10%、これ以降は50%上乗せ

* 会計帳簿、決算報告書は基本的に毎期作成し、適宜、保管場所に保存しておくだけで良い。

* 政府登録税が今後増税されても、登録時点の所定税額がそのまま適用。減税時は減額分が適用。